本サイト更新してなくてすみません。連載物もこそこそと書いてはあり、アップできる文はたまってるんですが。
ところで、今更シュタインズゲートにはまりました、そりゃもう、首どころか頭までつかる勢いで
ルカ子可愛いよルカ子。
オカクリ末永く爆発しやがれw などなど色々な思いが交差しています。
ルカ子ss(主に岡部さんと)すでにいくつか書きはじめているのですが、長くなるやも知れないのでこちらは出来上がり次第、本サイトに上げたいなと。
今回生存報告のついでに岡部と紅莉栖の勢いのまま書いた短め、小ネタ物一本あげときます。
本年も皆様よろしくです。
『俺の名前を言ってみろ!』
俺こと、鳳凰院凶真こと岡部倫太郎は、あー、助手と付き合う事になった。
世界線を越えて、再び出会えてから実に一年以上経ってのことであった。
この一年、俺が何をしていたか、詳細に語る気はないが周囲の声を一寸拾っておこう。
「流石の僕も『もう、つきあっちまえよ』と言わざるを得ない」
「凶真ぁ、まだつきあってないという気にゃ? さてはこのフェイリスを欺こうと……ほんとみたいにゃ……」
「まゆしぃはこのままだと大逆転でー、オカリンはるかくんとくっついちゃうかと思っちゃうよー」
などと言いたいように言われていたが……まぁ、それはともかく!
なんだかんだで俺と助手は付き合う事になったわけだ、が。問題はこれからなわけだが。
「なあ、クリスティーナ、あるいは助手よ。明日暇ならデー……」
「だ・か・ら、わたしはクリスティーナでも助手でもないといっておろうが!」
「名前など瑣末な事に拘るな。折角この鳳凰院凶真が助手をデートに連れて行ってやろうと言うのに」
「へ……で、デート」
とたんに顔が真っ赤になった。実にわかりやすい。
俺はにっと笑って見せる。
「そうだ、どうだ、嬉しいだろ? 俺とのデート」
「う、嬉しくなんかない」
「セレセブよまた得意のツンデレか」
「違う! 名前もまともに呼んでくれない男とのデートなんてごめんって事……今日は帰る!」
すくっと立ち上がるとずんずんドアに向かい。バタン! 力強くドアを閉め、助手は出て行った。
逆上させてしまったようだ。一人、ラボに取り残された。
わかってはいるのだ。そろそろ名前で読んでもいいかなとは思っている。
だが、例えばバランスを考えてみたらどうだ。
『なあ紅莉栖』
『何、岡部』
ほら、やっぱりおかしいじゃないか。
そうだとも、向こうが先に倫太郎、あるいは倫太郎さんと呼べばいいのだ。例えばルカ子なら『岡部さん』『凶真さん』とさぞ愛情をこめて、俺の目を見つめて呼んでくれるだろう……はっ! い、いかん。流されたら駄目だ。
俺はデスクトップのカレンダーを表示させる。
「むぅ、また一日が過ぎてしまったな」
今日の日付は12月1日。俺のハタチの誕生日まであと2週間である。
このままでは確実にDTの冠を抱いたまま20代に突入するだろう。
俺もついこの間までは『20だろうが30だろうが魔法使いになろうが大きなお世話だ。俺は俺のやりたいようにさせてもらう!』と、思っていたのだが。
折角彼女というものができたわけなのだから。10代の内にけりをつけてもいいんじゃないか、そんな考えが頭をよぎるようになったのだ。
付き合いだしてからペースが早すぎる? いや、その前の期間が長すぎたのだ。ナンパでその辺の女とというのとは訳が違う。
それに俺自身は出会ってからすぐに魅かれていたわけだし……。
だが。
今日もデートの約束すらしそびれてしまった。
あのスイーツのことだ、自分の中の段取りがあるに違いない。一応、一つ一つ手順は踏むべきだろう。
それには時間がすでにあまりない……どうすればいい? 時間? そうだ、俺にはDメールがあるじゃないか!
まず、何よりも第一段階。あのセレセブに俺の事を倫太郎さんと呼ばせるのだ。
『岡部、岡部』と話しかけてこられるよりも『倫太郎』の方が断然スムーズに行く気がする! 何となく。
携帯を取り出し文面を考える。
「凶真、は無理としてもせめて倫太郎と言わせるように……これでよし」
Dメール!
……。
いつもの感覚……今、俺はどこだ、何をしている……。
「じゃあ、まゆしぃは帰りまぁーす、お二人さんはごゆっくりー」
「ん、じゃあな」
「バイバイ」
まゆりが俺達に手を振り、ドアを閉めた。
今の状況。具合良くラボのソファに並んで座って、しかも誰もいない。首尾はどうなったのか早速、試すチャンスだ。
「……なあ、俺の名前を呼んでみてくれないか」
耳元に顔を近づけ、サービスに少し甘い目の囁きを入れてみた。
「え……あの、岡部……じゃなくて……えーと……おか……べ……」
どうやら上手い事言わせるように仕向けられたらしい。俺は重ねて囁く。
「恥ずかしがらないでもいいだろう……さあ、言って」
「……りん……」
「ん、聞こえないよ」
「やっぱり恥ずかしい、だって他の人の前でも『こう言え』なんて」
「そんな事ないだろ? さあ」
顔を赤らめてもじもじしてこちらを上目遣いで見ながら言った。
「だって、二人だけだったらともかく、人前でもなんて無理。『オカリン』なんて」
一体どういう展開でこうなったの、おれ!